鉱床の中のダイヤモンドは、加工仕上げしたジュエリーとなる前に多くの段階を経なければなりません。
最初の過程は採掘そのものです。
鉱床の種類や推定埋蔵量に応じて様々な採掘方法が用いられ、方法によって費用や効率が大きく異なります。
ダイヤモンドパイプの地表面積は4,050平方メートル未満から140平方メートル以上(43,650から1,530万平方フィート、フットボール場1つの大きさから283個分のものである)。
最深の鉱杭は地中ほぼ1,100メートル(3,600フィート)にまで達しています。
典型的なパイプ鉱山の採掘場は、パイプに隣接する岩石中に立杭を堀り、この立杭からパイプの周囲や中に横杭を通します。
ダイヤモンドを含有する岩石を爆破して破砕し、トロッコに積んで主杭道まで運び、処理工場に送って、ここでダイヤモンドと岩石とを分離します。
最大級のパイプ鉱山採掘場は、1日に13,000トンもの鉱石(1年に約475万トン)を処理しています。
漂砂鉱床での作業は原始的なものから高度に機械化されたものまであります。
小さな漂砂鉱床では採掘者が宝石を求めてプラスチックのバケツやパイ皿、そのほか役立つものをすべて用いて土砂を洗っているだけという場所が多いのです。
かたや南アフリカ大西洋沿いの鉱床は、1時間に1,800トンの砂、砂利およびダイヤモンドをすくい出す能力のある巨大な土石作業機械を用いて採鉱しています。
各鉱床には独自の問題があります。
シベリアではジェットエンジンで凍土を溶かさなければなりません。
南アフリカ大西洋沿いでは、豊かな鉱床が満潮時、海面のほぼ20メートル(65フィート)下になります。
ボツワナのうだるように暑いカラハリ砂漠では、世界で最大級のダイヤモンドパイプが風によって、砂中45メートル(150フィート)以上の深さに埋まったことがあります。
プレミア鉱山の処理工場では、鉱石1トン当たり平均して約3.5カラット(約100分の2.5オンス)のダイヤモンドを回収しています。
アフリカの海辺の鉱床の産出量は、砂1トン当たりわずか約0.098カラット(10,000分の7オンス未満!)です。
鉱床および年によって、ダイヤモンドの平均的な大きさと品質は変化しています。
大半が小さなダイヤモンドもしくは工業用のグレードのダイヤモンドを産出している鉱山もあります。
アフリカ南部の海辺の鉱床には、宝石品質結晶の割合が最も高く(95%に達する年もある)これに対して、ザイールの漂砂鉱床はその数字が2%となることもあります。
ダイヤモンドは採掘されると、市場に出されます。
これは複雑で魅力的な過程です。