価値の要因の決定と測定は、ダイヤモンド業界の長年にわたる中心的課題でもあります。
東西を問わず、ダイヤモンドに関する最も古い文献を見ると、必ず価値の判断方法について述べられています。
そして今日でも、この問題が必ず取り挙げられています。
ダイヤモンドのカッティング技術が発達する以前、主な要因は、大きさ、クラリティ、カラーおよび結晶形でした。
ダイヤモンドカッティングの初期の段階でさえ、大きさ、クラリティおよびカラーがカットより重視されていました。
しかし、カットによって実際に外観が改良するような段階に達すると、カッティングは価値を決める上で一層大切な要因として目立ち始め、そして専門家は、カットを評価するための基準として理論的に「理想的な」カットを考え始めました。
しかし、20世紀の半ばまで、ダイヤモンドの価値要因を議論するために一般的に認められた用語や定義はありませんでした。
グレーディングに関する広範囲にわたる合意もありませんでした。
研究者や専門家は、それぞれ誰かほかの人(一般に供給者)のグレーディングシステムを採用するか、あるいは自分で考案するかのいずれかでした。
ダイヤモンドの専門家や業界グループと共同して、GIAの教育プログラムと組織化された研究は、規格化した用語と手順の考案とその普及に多大な努力を行ってきました。
また、業界全体に通用するダイヤモンドグレーディングシステムを適用する基盤を築きました。
1950年代の初め、GIAの最初のダイヤモンドグレーディングラボラトリーがニューヨークに開設されて現実のものとなり、この研究所が発行する品質分析レポートが国際的ダイヤモンド業界に革命を起こしました。
ダイヤモンドの品質証明書に対する需要が増えるにつれて、ほかにもグレーディングラボラトリーが設立され、市場の需要を満たすようになりました。
その中には独立したラボもあれば、ダイヤモンドの販売会社と提携している場合もありました。
このような提携の場合、グレーディングが公明正大かどうか疑問が生じることもありました。
GIAは、客観的かつ普遍的な基準を考案するためにダイヤモンドグレーディングの基礎、方法、哲学を調査、検討、改良を続けています。
今日、GIAのグレーディング方法及び用語は世界中のダイヤモンドとジュエリー専門家の間で最も広く用いられています。