クラリティグレーディングはダイヤモンド評価における重要な段階ですが、小売ジュエリー業界の多くの人は、当然期待されるほどにはこれに精通していない。
疑問も持たず供給者のグレーディングを受け入れるジュエラーがあまりにも多く、それを顧客に言うとしてもそのグレードはそのまま顧客に伝わる事になります。
しかし大半の供給業者は正直で信頼できますが、彼らも他の人と同様、誤りを犯すことがあります。
通常責任を負わされるのは供給業者ではなくそのジュエラーですので、専門家としても評判を保つには注意深くグレーディングし、正確にグレードを表示することが必要不可欠です。
ブレミッシュは通常、VVSより下のクラリティグレードには殆ど影響しません。
クラリティグレードにおいて、インクルージョンの影響を評価する場合、大きさ、数、位置、性質および色が考慮に入れる要素です。
大きさがクラリティグレードを決定する上で重要な要素であることは間違いありません。
インクルージョンが見えにくいほど、特にフェースアップの場合、クラリティグレードに及ぼす影響が少なくなります。
大抵は大きさの一部として、インクルージョンの数も考慮しなければなりません。
しかし、クラリティのグレーディングは単にインクルージョンを数えるだけのものではなく、その数がいかに見やすいかを判断するのです。
例えばある石に微小なピンポイントが多数あってもスケール上で高いグレードとなることもあります。
その他のインクルージョンは、小さいもしくは軽度な場合、グレードに殆どあるいは全く影響しません。
インクルージョンの位置はその見えやすさに影響します。
カッターはテーブルを通して見える領域を石の「ハート」と呼び、加工仕上げした石のテーブルを通してインクルージョンが見えないように原石の石取りにあらゆる努力をします。
インクルージョンの位置として望ましいのは、目立たないので、クラウンファセットの下もしくはガードル付近となります。
フェースアップの位置で石を見た場合に、パビリオンファセットに複数の反射が生じるような位置にインクルージョンがあることもあります。
このようなリフレクターは、同様の反射しないインクルージョンよりクラリティグレードを下げます。
インクルージョンの種類がクラリティグレードに影響を及ぼすこともあります。
大半のインクルージョンはダイヤモンドの耐久性には脅威を与えません。
(石が消費者に届くはるか以前に、カッティングおよび製造過程で既に大量の熱や圧力を受けているので、単なる着用ではこれより手荒い扱いを受ける可能性は殆ど無い。)
しかし大きいクリベージやフェザーは、特にテーブルに達している場合やクラウンからガードルを通って延びている場合には、強い衝撃によりこれが広がることがあるので潜在的危険性が高くなります。
大半のインクルージョンは白色もしくは無色ですが、ブラック、ブラウン、ダークレッド、もしくはグリーンのこともあります。
これらは言うまでも無く無色のインクルージョンより見えやすく、クラリティグレードを下げます(しかし奇妙な事に、テーブルの下の真中にある暗いインクルージョンが驚くほど気付かれないことが多い)。
形状のはっきりした結晶インクルージョン、特に色の付いたものは、顕微鏡で顧客に見せることができます。
クラリティグレーディングとは、観察した様々なクラリティ特徴全部の全体的影響を要約したものです。
これは難しく聞こえますが、少々経験すればグレーダーは、殆ど直感で最終的評価を下す事ができます。
経験を積んだグレーダーと初心者の差は、経験を積んだグレーダーの方が、はるかに多くのダイヤモンドを見たという事実にあります。
これが、可能な限り多くのダイヤモンドを見るのが重要であることの理由です。