その理由のひとつは、GIAが現在でも継続中の教育でこれをバックアップし、同じ用語を同じ方法で使用するよう専門家を指導しているからです。
もうひとつの理由は、このスケールを用いているGIAのジェムトレードラボラトリーの品質分析レポートが広く使用されているためです。
最後に、メディアに数多く登場しているので、消費者がこのシステムを知っていることが多いためです。
GIAのカラースケールはD(無色)から始まりZ(ライトイエロー)まであります。
重量が0.25カラット未満の場合、EおよびFカラーのダイヤモンドは実質的に無色に見え、これを一貫して判別できるのは経験豊富なグレーダーだけであり、しかも裸石に限られます。
多くのグレーダーは0.50カラットから1.00カラットの間でFを確実に見分けられ、1カラットを超えると大抵のグレーダーが可能です。
G、Hおよび多くのIのダイヤモンドは、枠付きの場合、フェースアップで無色に見えます。
大抵の訓練されたグレーダーおよび経験を積んだ専門家は、枠付きでなければこの石を見分ける事ができますが、大抵の消費者は裸石でDもしくはEカラーの石と並べてみない限り区別できません。
フェースアップでイエローゴールドの枠付きの場合、重量が0.50カラット以下のJ、K、及びLのダイヤモンドはほぼ無色に見えますが、これより大きくホワイトメタルの枠付きの石は消費者にも通常、幾分か色が見えます。
M以下では大抵の消費者が0.25カラット以上のあらゆるダイヤモンドで色を容易に見る事ができ、グレードがZに近づくにつれて大きさに関係なく見えるようになります。
ライトイエローおよびブラウンは同一のスケールでグレーディングされるが、大抵の人は同じグレードであればブラウンよりイエローの方が見えやすくなります。
全てのダイヤモンドディーラーやバイヤーがGIAのシステムを使用しているわけではないのは言うまでも無いことです。
多くは自分自身の必要に応じた別のシステムを開発したり使用したりしています。
しかしGIAのダイヤモンドカラーグレーディングシステムが国際的に基準となったため、他のシステムや用語はGIAの用語と関連付けたものとして開発されています。
1人がGIAのスケールでGと言い、他の1人がFもしくはHと言うこともあります。
石が2つのグレードのちょうど境界線上にあるので、グレーダーがわずかに異なったグレードに分類する事もあります。
その他の場合には、購入する立場か販売する立場かに応じて、意識的にまたは無意識的にグレードを上下させる結果です。
グレーディングに関する論議でしばしば問題となるのは私的利益で、このため客観的で利害関係の無い専門的研究所のサービスが業界にとって非常な重要性を持つのです。