ジェモロジスト、鉱物学者、および岩石収集家には結晶試料の熱烈な愛好家が数多くいます。
彼らは世界最大のカット宝石には関心がなく、完璧に一点でターミネイトしているクォーツ結晶を見つけるためには何時間も岩石の箱を探し回ります。
このような人々は(ある種の比較的珍しい宝石にとっては有望な顧客となることが多いものの)最高のジュエリー顧客とはなりそうもないですが、彼らを魅了するものは他の顧客を魅了することもあります。
形成の良好な原石結晶はある種の畏怖を引き起こすことがあります。
この点を店で活用することができます。
多くの人びとは宇宙の秩序の表象ととれるものに好奇心をそそられ、このような人に形成の良好な原石(写真、あるいはこれより実際の結晶のほうがよい)を見せると、ある種の畏怖を引き起こすことがあります。
(ジュエリーに原石ダイヤモンド結晶を取り入れるデザイナーもあり、これも非常に印象的です。)
これはダイヤモンドの神秘や魔力について、とっておきの話をするのにちょうど良い機会でもあります。
天然ダイヤモンドのほとんど超自然的とも思える対称性が、古代文化がダイヤモンドを精神と知性が完全にバランスがとれた状態と等しいものと考え、ダイヤモンドを啓蒙の象徴とした理由のひとつであったことを言ってもよいでしょう。
ダイヤモンドインフォメーションセンター等から原石の写真や模型を入手することもできますが、展示や販売説明のために原石を購入するジュエラーもいます。
供給者が宣伝用に選別した原石を貸し出すこともあります。
結晶がいかに形成され成長するのか、また加工仕上げした石に残された特徴がどのように取りこまれたかを説明すると、カラーやクラリティのグレードから「より劣った」、「低い」もしくは「悪い」という連想を取り去り、これを非常に貴重な自然の過程の痕跡として扱うことが可能となるのです。
さらに原石から研磨宝石へのダイヤモンドの変身の図を見せると、カッティングの説明の優れた導入部となるのです。