ラウンドではプロポーションの変化は通常極めて小さい範囲内です。
テーブルは55から65%の間、クラウン角度は30から35度の間、パビリオンの深さは41から44%の間がほとんどです。
この範囲から大きくずれるとすぐ石の魅力および販売性に影響します。
変化が特に大きいのは通常、小さくて比較的グレードの低い石、および矛盾しますが、いくつかの大きくて最上品質の石です。
小さい石では光学上の主目的はブリリアンスときらめきであり、ブリリアンスとディスパージョンのバランスのわずかな変化に多くの人はあまり関心がありませんし、歩留りの変化を検査する人は少ないのです。
深いパビリオンは一般的で、ラウンドメレーは十分なガードルの厚さが重量の10%になることもあります。
大きく高品質のダイヤモンドでは、重量のすべてとグレーディングスケールのメモリを上げることが価格の上昇につながるので、プロポーションの変化が数多く生じます。
歩留りを良くする、またはインクルージョンを除去する、あるいはその両方のためにカッターは大きくプロポーションを変化させることがあります。
ファンシーシェープでは魅力やプロポーションに関してそれほど意見が一致していないので、変化がさらに大きくなります。
テーブルが70%を超え、パビリオンの深さが50%以上のエメラルドカットは珍しくありません。
クラウンやパビリオン角度の浅いマーキース、オーバル、およびペアーも同様です。
ショルダー、ウィング、ベリー、およびふくらみの変化はほぼ無限です。
プロポーションの変化が重量に大きく影響するのは言うまでもありません。
プロポーション上の変化を識別、または考慮せずに寸法と算式で重量を算出すると、25%以上もずれることもあります。
つまり、2.00カラットの石が1.50もしくは2.50と算出されることさえあり、これは数千ドルの価格の差を意味することでもあります。
変化は外観にも著しい影響を与えます。
カラーとクラリティの等しい2個の石が、重量および価格がほぼ等しくてもプロポーションの差によるだけで一方は非常にブリリアンスとディスバージョンが多いという場合もあります。
プロポーション上の変化やその光学上の副作用を把握することがダイヤモンドグレーディングを学ぶ上で非常に重要な部分となるのは、このためです。