宝石品質ダイヤモンド結晶原石の形状は、カッターが加工仕上げした宝石の重量を左右するので、宝石としての潜在的価値の最も重要な要素となります。
結晶の形状はカッターが得られる重量を左右します。
カラーとクラリティグレードの等しい2個の結晶が、重量が等しくても形状に関してだけで、一方が他方の最低10倍の価値になることもあります。
形状によっては、加工仕上げした宝石が原石の重量の3分の1未満にまることもあります。
たとえば10カラットの平坦なマクルは数カラットのバゲットにしかなりませんが、形の整った10カラットの八面体は各々3と2分の1および1と2分の1カラットのプロポーションの良好な石になることもあるのです。
他の形状では3分の2の歩留りのこともあります。
ダイヤモンドの結晶構造は原石を宝石にファッション加工する際に用いる機械的工程を決定します。
方向によって原子間の間隔が異なり、この差はカッターがダイヤモンドを効果的にファッション加工するのに利用する方向性のある硬度とクリーベージ等の特性を生じさせているのです。
他の宝石ではカッターが常にファッション加工しようとする素材より硬度の高い研磨剤を使用できますが、宝石品質ダイヤモンド結晶ではこのような硬度の低い方向を利用しなければなりません。
ダイヤモンドの粒子は方向が一定ではないので、カッターはある割合の硬度の高い方向で原石の硬度の低い方向をすりへらすことができます。