標準的範囲は無色および、ほぼ無色からライトイエロー、ライトブラウンです。(専門のグレーダーが無色とグレードするダイヤモンドは極めて少なくなりますが、普通の顧客は指摘されなければ多くの石の色をほとんど、あるいは全く見る事ができません。)
ファンシーは、魅力的とみなせるだけの濃さのイエロー、ブラウン、および顕著であれば他のどの色をも含みます。
大半のファンシーダイヤモンドの色は強くも純粋でもなく、通常は他の色と混合しており、色が濃くなるほど明瞭となる傾向のある灰色味、もしくは褐色味によって弱められています。
つまり、大きくてミディアムの濃さで鮮やかなファンシーカラーダイヤモンドは天文学的なほど稀であることを意味しています。
ライトイエローおよびブラウンが標準色範囲を占めているので、一般的ファンシーカラーの大半が比較的濃いイエローおよびブラウンであることは、驚くに当たりません。
グレー、ブルーおよびピンクは稀です。
オレンジ、グリーンおよびパープルは非常に稀となり、レッドダイヤモンドは最も珍しくなります。
少量のブラックダイヤモンドも美しい宝石に加工されています。
標準範囲ではファンシーとみなされるほど色が充分に濃くなるまで、石の色が顕著となるにつれ石の価値は下がります。
その後は色が顕著となるほど(鮮やかで強いかぎり)価格は上昇します。
イエロー、ブラウン、オレンジ、グレーおよびベリーライトグリーンのダイヤモンドは通常、無色の石より価値が低くなりますが、これに対して、ライトブルー、ピンク、およびバイオレットは無色より価値が高い事が多くなります。
最も価値のある色はミディアムダークの鮮やかなブルーおよびレッドで、これは他の点では同等の無色の石の数倍の価格となることもあります。
様々な色、およびカラーグレードの人気および販売性は、少なくともある程度、地域や文化の違い、さらには性別にまで左右されるようです。
例えばヨーロッパや中東では比較的濃い標準範囲の石やファンシーカラーの方が売れるのに対し、極東ではバイヤーが無色やほぼ無色に近い石を好んでいます。
ライトイエローおよびブラウンは他の地域より米国の一部で売れています。
男性は女性より比較的濃い標準範囲のダイヤモンドを好むと感じているダイヤモンド販売員もいます。
概してファンシーイエローおよびブラウンは他の色ほど好まれていません(しかし、これはこれらの低い価格と、熱心な説明で相殺できます)。
分析の最後として、各店で売る商品はその顧客が見慣れたもの(ダイヤモンドはこうあるべきだという顧客の固定概念)に大きく左右されます。
しかし同時に、多くの専門家は顧客がより広い色、もしくはカラーグレードの範囲を受け入れるよう教育して、自身の特殊な領域を作り上げてきています。